PDFの読み込み
AutoCAD 2017およびAutoCAD LT 2017からPDFファイルを読み込む際に、AutoCADの2Dジオメトリに変換することができます。
PDFの読み込みは、[挿入]タブ > [読み込み]パネル > [PDF読み込み]から実行できます。あるいは、PDFIMPORTコマンドを実行します。
アプリケーションメニューの[読み込み] > [PDF]からも実行できます。
PDFファイルを選択すると、[PDFを読み込む]ダイアログが表示され、読み込むオプション設定がおこなえます。
PDFファイルが複数のページを持つ場合は、どのページを読み込むのかを指定します。(一度に1ページしか読み込めません)
以下のようなオプションを設定できます。
- 画面上で挿入位置を指定する/しない、尺度、回転角度を指定
- 読み込むPDFデータを選択(ベクトルジオメトリ、ソリッド塗り潰し、TrueType文字、ラスターイメージ)
- どの画層を使って読み込むか
- 読み込みオプションとして、[ブロックとして読み込む]、[線分および円弧セグメントを結合]、[ソリッド塗り潰しをハッチングに変換]、[線種プロパティを適用]、[同一直線上の破線から線種を推測]
★ PDFファイルに含まれるラスターイメージは、PNGファイルとして展開され、AutoCAD上でアタッチされます。それらのイメージファイルは、[オプション]ダイアログの[ファイル]タブ > [PDF読み込みイメージの場所]で指定された場所に保存されます。既定値では、PDFファイルと同じフォルダ内にPDF Imagesフォルダが作成され、そこに格納されます。
★ [ソリッド塗り潰しをハッチングに変換]オプションを使うと、読み込み処理に時間がかかります。
★ [線種プロパティを適用]オプションを使うと、読み込まれたオブジェクトの線の太さのプロパティを保持します。使用しない場合、AutoCADは既定の線の太さを使用します。
★ [同一直線上の破線から線種を推測]オプションを使うと、AutoCADは同一直線上の破線やドットの部分を一つのポリラインに置き換えます。その破線の間隔に基づくPDF_IMPORTという名前の線種が作成されて、そのポリラインに割り当てられます。
このオプションを使用しなかった場合は、破線部分でバラバラのポリラインとして読み込まれます。
SHX文字認識
PDFファイル内のTrueType文字は、AutoCADのマルチテキストオブジェクトとして読み込まれますが、PDFファイル内のSHXフォントを使った文字は、文字として認識されず、ポリラインを使って読み込まれます。
AutoCAD 2018およびAutoCAD LT 2018から利用できるSHX文字認識機能を使うと、PDFファイルから読み込んだSHXフォントを表すジオメトリを認識して、1行のマルチテキストに変換してくれます。
SHX文字認識機能は、[挿入]タブ > [読み込み]パネル > [SHX文字認識]から利用できます。あるいは、PDFSHXTEXTコマンドを実行します。
その変換するときのオプションを[PDF文字認識設定]ダイアログで設定できます。このダイアログは、[挿入]タブ > [読み込み]パネル > [認識の設定]からアクセスするか、PDFSHXTEXTコマンドの[設定(SE)]オプションを使用します。
★ SHX文字認識機能は、ビッグフォントを使用した日本語には対応していません。
★ [最適マッチフォントを使用]オプションを使用すると、 [比較するSHXフォント]でチェックされたフォントを上から順番に比較して、[認識しきい値]を超える最初のフォントが使用されるのではなく、ベストマッチしたフォントが使用されます。
★ どのフォントを選べばいいか分からない場合は、リストからフォントを選択して、テキストボックスに文字を入力して、[フォントのプレビュー]で文字が似たフォントを探して選択します。
複数の文字を一つに結合
PDFファイルから読み込んだTrueType文字や、SHX文字認識を使って変換した文字は、1行のマルチテキストオブジェクトになっています。AutoCAD 2018およびAutoCAD LT 2018から利用できる文字を結合機能を使うと、それらの文字を1つの複数行マルチテキストオブジェクトに結合できます。
文字を結合機能は、[挿入]タブ > [読み込み]パネル > [文字を結合]から利用できます。あるいは、TXT2MTXTコマンドを実行します。
TXT2MTXTコマンドの[設定(SE)]オプションを使用して、結合結果の調整ができます。
2つのマルチテキストを文字を結合機能を使うと、以下のように1つの複数行のマルチテキストにできます。
* この記事は 2018 年 7 月に作成されました。