AutoCAD ビギナーにとって分かりにくい基本的なことについて説明していきます。
第4回は文字スタイルと寸法スタイルについてです。
文字スタイルとは
AutoCADで文字を作成する場合、まず文字スタイルを作成する必要があります。文字スタイルでは、フォントと高さ、幅係数などを設定します。文字スタイル管理では、ファイルに設定されている文字スタイルの一覧が表示され、文字スタイルを新規作成したり、修正したりすることができます。
フォントには、shxフォントとTrue Typeフォントという2種類があります。この2つには次のような違いがあります。
True Typeフォントは、コンピュータ内にインストールされているフォントで、他のソフトでも使うことができます。
一方、shxフォントはAutoCAD専用のフォントで、他のソフトで使うことはできません。
そして、shxフォントを使う場合は、日本語の入力をするにあたり必ず「ビックフォントを使用する」にチェックを入れ、下記のいずれかを指定する必要があります。(標準インストールの状態)
- bigfont.shx
- extfont.shx
- extfont2.shx
通常のshxフォントには、アルファベットと数字しかないため、ビックフォントを使用せずに日本語を入力すると、文字オブジェクトは「???」と表示されます。
そのほかにも違いがあります。shxフォントはダイアログ内の効果のチェックボックスで簡単に縦書きにすることができますが、True Typeフォントの場合は、縦書きのチェックボックスがグレイアウトしています。
True Typeフォントを使用して縦書きしたい場合は、フォントの設定から別になり、使用したいフォント名の前に@が付いているフォントを指定する必要があります。
文字高さの設定については、文字スタイルで設定する方法と、文字スタイルでは高さ0に設定し、文字記入ごとに指定する方法があります。
TEXTコマンドでは、文字スタイルで高さを指定した場合としていない場合で、コマンドの流れが一部異なります。
寸法スタイルとは
寸法オブジェクトに関する様々な設定を寸法スタイルと呼びます。寸法スタイル管理を開くと、ファイル設定されている寸法スタイルの一覧とそのプレビューが表示されます。
いずれかの寸法スタイルを選択し、修正をクリックすると「寸法スタイルを修正」ダイアログが開き、その中には設定に関する以下のタブがあります。
- 寸法線
- シンボルと矢印
- 寸法値
- フィット
- 基本単位
- 変換単位
- 許容差
ここでは、上記のうち寸法線・寸法値・フィット・基本単位の各タブについて説明します。
寸法線タブ
寸法線・寸法補助線の色・線種・線の太さについては、データ内でどのような使い方をしたいかで、設定方法が異なります。
-
寸法オブジェクトが属する画層の設定と同じにする場合→Bylayer
※画層の設定に常に従うため、個別に色等を変更することができない - 寸法オブジェクト独自で変更したい場合→Byblock
※個別に色等を変更できる -
特定の色・線種・線の太さにしたい場合→寸法スタイルで設定する
※寸法スタイルで設定した色等以外に変更不可
寸法値タブ
寸法に使用する文字の設定は、寸法値タブで行います。文字は、前述の文字スタイルを使って設定します。指定した文字スタイルに文字高さが設定されていると、寸法スタイルでは文字の高さが設定できませんのでご注意ください。
このタブでは他にも、文字の配置や位置合わせについて、設定することができます。
フィットタブ
このタブで設定する「寸法図形の尺度」は、寸法線、シンボルと矢印、寸法値タブにある、長さ・間隔・サイズ・オフセットに関する数値と深く関係します。設定したこれらの数値は、実際の作図では、そのときの「尺度」を考慮して寸法オブジェクトが作成されます。
例えば、寸法スタイルの設定が以下のようなとき、
全体の寸法尺度を10、50に設定するとどうなるでしょうか。
寸法図形の尺度→全体の尺度が10の場合、下記のように設定した数値×10になります。
寸法図形の尺度→全体の尺度が50の場合、下記のように設定した数値×50になります。
尺度を考慮した寸法オブジェクトになっていることが、分かると思います。
簡単ではありますが、文字スタイルと寸法スタイルについて説明しました。
あれこれ設定を試して、思う通りの文字や寸法を作成してみてください。
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