カスタマイズの基本 7:ツールパレット

AutoCAD LTでも出来るカスタマイズの基本7として、今回は「ツールパレット」のカスタマイズをご説明します。

私個人としては、UI(ユーザインタフェース)のカスタマイズの中で一番お勧めです。以下にツールパレットの主な特徴を記載します。

 

ツールパレットを使うメリット

  • リボンやツールバー同様にコマンドを配置できる
  • タブ毎に区切って目的別に管理できる
  • リボンやツールバーと比べて作成、編集の手間が少ない
  • 作図コマンド等の作図画層や線種等のプロパティの指定ができる
  • ブロックやハッチングパターンも配置可能
  • ドッキング、アイコンの表示モード切替え、自動的に隠す、透明化など作図エリアを犠牲にしない配慮がされている
  • 複数人で共有できる

 

上記の1や2はリボンでもできる事ですが、ブロックやハッチングパターンも同じUIから指示できる事は、大きなメリットだと思います。また作図コマンドのプロパティが指定できるので、作図後に画層等のプロパティを変更する手間が削減できる他、決まったオブジェクトを標準の画層や線種で作図するなど、標準化にも役立ちます。

 

バックアップを取得しよう

カスタマイズの前にバックアップを取得しましょう。カスタマイズは動作確認などを行いながら実施する事になりますので、カスタマイズの前や更新時にはバックアップを取っておく事をお勧めします。オプションのファイルタブにて”ツールパレットファイルの場所”を確認し、エクスプローラにて該当のフォルダごと、ZIPファイル等に圧縮してバックアップします。

 

ツールパレットの表示

AutoCADの初期状態ではツールパレットは表示されていません。ツールパレットを表示するには、リボンメニューの[表示]タブ|[パレット]パネル|[ツールパレット]をクリックするか、コマンドラインからTP(TOOLPALETTES)と入力します。

 

新規パレットの作成

ツールパレット上に新規のパレットを追加してみましょう。新規パレットを追加するには、ツールパレット上のアイコンの無い部分を右クリックし、右クリックメニューから[パレットの新規作成]を選択します。

 

名前の要求がありますので、適当な名前を入力します。(ここでは「USER1」と入力します)

アクティブなパレットの次(下)に作成した新しいパレットが作成されます。

(

 

コマンドボタンの配置

パレットが配置できたらコマンドボタンを配置してみましょう。コマンドボタンを配置するには、追加するパレット上で右クリックし、右クリックメニューから[コマンドのカスタマイズ]を選択します。

 

カスタマイズエディタが表示されるので、追加したいコマンド(ここでは線分)を選択し、ドラッグ&ドロップにてパレット上にコマンドを追加します。

 

※ ツールバーが表示されている場合には、ツールバーのコマンドボタンをクリック&ドラッグしてもコマンドが追加できます。またリボンパネルやツールバーではコピー&貼り付けができましたが、リボンでは出来ないので注意して下さい。

 

プロパティの設定

最初の特長でも説明しましたが、作図コマンド系のコマンドの場合には作図されるプロパティを設定できます。プロパティを設定するには、配置したコマンドボタンを右クリックし、右クリックメニューから[プロパティ]を選択します。

 

ツールプロパティダイアログが表示されるので、色や画層、線種、線幅などが設定可能です。

画層や線種などを設定する際には、アクティブな図面に作成またはロードしておく必要があります。

ここでは例として補助線用の「HOJO」というレイヤーに作図するように変更します。

 

ツールパレット上の線分のコマンドをクリックして線分を作図すると、アクティブな画層や線種の状態に関係無く、指定したプロパティに従って作図できることが確認できます。

尚、ここで指定した画層や線種等は、図面に存在しない場合でも設定した情報が作図したタイミングで作成されるので非常に便利だと思います。

 

また作図系のコマンドボタンを配置すると、初期値ではフライアウトで作成されます。フライアウトにしたく無い場合には、ツールプロパティダイアログで、[フライアウトの表示]を”いいえ”に設定します。

 

ハッチングの配置

次にハッチングをツールパレット上に配置してみましょう。配置するには配置するパターンのハッチングを作成するか、作成してある図面を開きます。ハッチングが作成できたら作図領域でハッチングを選択し、右ボタンを押したままグリップ部分をドラッグ&ドロップにてツールパレット上に配置します。

 

ハッチングの場合にもツールパレットへ配置後にプロパティを変更する事が可能です。

 

ブロックの配置

ブロックを配置する場合もハッチングと同様に選択後右ボタンを押したままのドラッグ&ドロップ操作で配置する事が可能です。
※ 但し、ブロック図形の情報はパレット側では無く図面として保持されるので、ブロックをパレットに配置した時と同じパスに図面が保存されている必要があります。

 

ツールパレットを共有する

ツールパレットを共有するには3つの方法があります。

  • 対象のツールパレットを書き出して共有先のPCで読み込む
    共有する方もツールパレットをカスタマイズしていて、特定のパレットのみ共有する場合にこの方法を実施します。
  • ツールパレット一式をファイルコピーにて共有する
    バックアップを取ったのと同様に、対象フォルダ毎コピーする方法です。全く同一のツールパレット環境を使用する場合に使用します。
  • ファイルサーバー等にツールパレットを配置して共有する
    同一プロジェクトに参加していて、ブロックの追加等がしばし行われる場合等に便利な方法です。ファイルサーバー等の共有フォルダ上にツールパレット一式を保存し、オプションのファイルタブにて、ツールパレットを配置した共有フォルダをツールパレットの場所として指定します。

 

書き出して共有する方法を以下に説明します。
 

ツールパレット上で右クリックし、[パレットのカスタマイズ]を選択します。

 

カスタマイズダイアログが表示されるので、書き出すツールパレットを選択し、[書き出し(X)]を選択します。

 

共有する側のPCで同じ様に[カスタマイズ]ダイアログを表示させ、読み込みを指定して共有するツールパレットを追加します。

 

まとめ

表示されていない場合にはコマンドラインから、TP(TOOLPALETTES)と入力。

カスタマイズするにはコマンドボタンの無い領域で右クリック。

リボンやツールバーの様にカスタマイズエディタからコマンドをドラッグ&ドロップにて追加する。

既存の図形や寸法、ハッチング、ブロック等から追加する場合は、選択後、右ボタンを押したままドラッグ&ドロップで配置する。

ツールパレットはコマンドやハッチング、ブロック等も含めて統合的に作図プロセスの操作に合わせて、カスタマイズできる。

設定したプロパティは図面に存在しない場合でも自動で作成される。

複数人のユーザーで共有もできる。

 

次回はコマンドマクロについて取り上げます。お楽しみに。

著者について

AUG-JP (ユーザー会)

AUG-JPはAutodesk製品のユーザーで構成された独立したコミュニティです。 ユーザ同士の助け合いの場として、ウェブサイト、コミュニティ(SNS)などを運営しています。 多くの企業様にご協力を頂きながら全国各地でユーザ参加型の「学びと交流」を目的としたイベント 「AUG-JP WorkShop」を開催したり勉強会をサポートしています。

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