AutoCAD ビギナーにとって分かりにくい基本的なことについて説明していきます。
第2回は印刷についてその1です。
今回は印刷するときに設定する項目のうち、
- 印刷領域
- 印刷オフセット
について説明します。
印刷領域はいろいろ
まずは印刷領域についてです。文字通り印刷したい範囲のことですが、選択肢はモデル空間とレイアウト空間で多少異なります。
モデル空間 |
図面範囲・窓・表示画面・ビュー(ビューを登録時のみ) |
レイアウト空間 |
オブジェクト範囲・レイアウト・窓・表示画面 |
それぞれの印刷領域は以下のようになります。
図面範囲 |
LIMITS(図面範囲設定)コマンドによって設定された範囲 |
窓 |
印刷時に窓選択で範囲を指定 |
表示画面 |
現在ウインドウに表示されている範囲 |
ビュー |
ビュー登録時のみ選択可能、選ぶと右側に選択ボックスが表示され、登録したビュー名が選択可能。選択したビューに登録された範囲が印刷範囲 |
オブジェクト範囲 |
該当レイアウト内にあるオブジェクトがすべて含まれる範囲 |
レイアウト |
レイアウト空間に表示された用紙枠の範囲 |
印刷オフセットはどんなときに使う?
印刷ダイアログの中で、わかりにくいのが印刷オフセットの設定ではないでしょうか。
まず、印刷オフセットの基準となる位置についてですが、実はオプションの印刷とパブリッシュタブにある、「印刷オフセットの基準」を印刷可能領域か用紙のエッジ、どちらに設定しているかによってダイアログの「印刷オフセット(基準は○○)」の○○部分が変わります。
初期値は「印刷可能領域」です。
通常プリンターには印刷できない余白があり、それを除いた部分が印刷可能領域となり、余白の分だけ用紙サイズより小さくなることが一般的です。また、プリンターによっても印刷可能領域のサイズは異なります。
印刷オフセットのX・Yの値が0の場合、印刷領域は範囲の左下点を基準として、用紙に対して以下のように配置されます。
オフセットの基準が用紙のエッジの場合、用紙側の基準点となるのは用紙のエッジの左下です。そのため、用紙範囲と印刷領域の位置関係はプリンターに依存することなく一定の位置となります。ただし、印刷領域のうち印刷可能範囲を外れた部分は印刷されません。
反対に基準が印刷可能領域の場合は、用紙側の基準点となるのは印刷可能領域の左下です。プリンターによって印刷可能領域の左下位置が変わるため、用紙上に配置される印刷領域の位置が異なる場合があります。
また、「印刷の中心」にチェックを入れると、印刷可能領域の中心と印刷領域の中心が一致するように自動でオフセットが設定されます。ただし、このオプションは、レイアウト空間の印刷で印刷対象をレイアウトにした場合は使えません。
印刷オフセットのX・Yともに正の値を入れると、用紙上の印刷領域配置の基準点が右・上方向に移動するため、結果的に印刷領域が右・上に移動します。負の値を入れると、逆方向に移動します。