概要 - [カスタム設定をマイグレート]ユーティリティ

[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティを使用することにより、カスタム設定およびカスタム ファイルを旧リリースからマイグレートすることができます。

マイグレートが可能なカスタム設定およびカスタム ファイルは、以下のカテゴリに分類されます。

インタフェース

ユーザ プロファイル(AutoCAD LT では使用できません)

ユーザ プロファイルは、アプリケーションおよび作図環境の設定に名前を付けたものです。これらの設定には、作図ウィンドウ色、カーソルのサイズ、コマンド ウィンドウのフォント、スペル チェック辞書などがあります。

ユーザ プロファイルには、サポート ファイル、ドライバ ファイル、カスタマイズ ファイルなどをプログラムが検索する場所も含まれます。カスタマイズ ファイルが既定の場所以外の場所に格納されている場合、それらの場所へのパスはマイグレートされますが、カスタマイズ ファイル自体はマイグレートされません。[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティのオプションを使用してカスタマイズ ファイルをマイグレートすることができます。または、プログラムの旧リリースと現在のリリースの場所間でファイルを手動でコピーすることができます。

CUI

カスタマイズ(CUI/CUIx)ファイルは、クイック アクセス ツールバー(QAT)、リボン パネルおよびタブ、パレット、"クラシック" ツールバー、プルダウン メニューなどのユーザ インタフェース要素を定義します。マイグレート元の旧リリースに基づいて、[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、[メイン カスタマイズ ファイル]の設定で指定されている CUI または CUIx ファイルを検索します。メイン CUI/CUIx ファイルにロードされる部分カスタマイズ ファイルに加えて、メイン カスタマイズ ファイルがマイグレートされます。

多くのユーザ インタフェース要素にはカスタム イメージが表示されます。このカスタム イメージは、コマンドまたはユーザ インタフェース要素が CUIx ファイル間でマイグレートされたときに、マイグレートされます。CUIx ファイルで定義されているコマンドやユーザ インタフェース要素によって参照されるカスタム イメージは、2 つの場所(CUIx ファイル内と、外部の[カスタム アイコンの場所]の設定によって定義された場所)のいずれかに格納されます。カスタム イメージがどのように参照されるかに基づいて、カスタム イメージのマイグレートに使用されるプロセスは異なります。

次に、カスタム イメージをマイグレートする方法について説明します。

  • CUIx ファイル内に格納されているイメージは、同じ名前の現在のバージョンの CUIx ファイルにコピーされます。
  • 前バージョンの[カスタム アイコンの場所]の設定で指定された場所に格納されているイメージは、現在のバージョンで指定された場所にコピーされます。
ツール パレット

ツール パレット ファイルには、標準およびユーザ定義のツールが含まれます。ファイルは、[ツール パレット ファイルの場所]の設定で指定された場所に格納されます。

  • ユーザ定義ツール パレット ファイル:AutoCAD 2006 ベース以降の製品で作成されたカスタム ツール パレット ファイルがマイグレートされます。
  • 標準ツール パレット ファイル:AutoCAD 2010 ベースの製品以降のツール パレットに対する変更は、現在のリリースにマイ グレートすることができます。しかし、これより前のツール パレットに追加されたツールに対する変更はマイグレートできません。現在のリリースのツール パレットに手動で追加し直す必要があります。

ツール パレットのマイグレート時に、カスタム ツール パレット グループもマイグレートされ、現在のリリースの既定のツール パレット グループに合成されます。

ツール パレット グループは、ユーザ プロファイルと一緒に保存されます。<<名前のないプロファイル>> または <<製品名 名前のないプロファイル>> という名前のプロファイルに切り替えることにより、既定のツール パレット グループを表示することができます。(ユーザ プロファイルは、AutoCAD LT では使用できません)。

設定

コマンドのエイリアス

コマンドのエイリアスは、コマンドを開始するために使用される短縮名で、acad.pgp (または、AutoCAD LT の場合は acadlt.pgp)ファイルに格納されます。[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、PGP ファイルのユーザ定義セクションのコマンドのエイリアスを、旧リリースから現在のリリースの同じ名前のファイルにマイグレートするだけです。

注: [カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、外部のコマンド エイリアスまたはコメントをマイグレートすることはできません。
印刷ファイル

印刷ファイルには、図面ファイルの出力コントロールする各種の設定が格納されます。それには、プロッタおよびプリンタの設定や、出力で線の外観をコントロールする設定が含まれます。

  • プロッタ環境設定(PC3)ファイル:図面の出力に使用可能な電子形式とデバイスを識別します。旧リリースの PC3 ファイルは、マイグレートしたリリースの後に名前が付けられたサブフォルダにマイグレートされます。サブフォルダの命名規則は、製品名 PC3 ファイルです。サブフォルダは、製品の旧リリースと現在のリリースの両方の互換性を保持するために作成されます。製品名 PC3 ファイル サブフォルダは、[プリンタ環境設定検索パス]の設定で定義されている場所の下に作成されます。
  • プロッタ モデル パラメータ(PMP)ファイル:PC3 ファイルで定義されている環境設定された出力デバイスのユーザ定義用紙サイズおよび位置合わせ設定が格納されます。旧リリースの PMP ファイルは、[プリンタ説明ファイル検索パス]の設定で定義されている場所にマイグレートされます。
  • 印刷スタイル テーブル(CTB/STB)ファイル:出力時の図面の色、線種、線の太さなどの設定をコントロールします。プログラムは 2 種類の印刷スタイル、色従属印刷スタイル(CTB)と名前の付いた印刷スタイル(STB)をサポートしています。旧リリースの CTB および STB ファイルは、[印刷スタイル テーブル検索パス]の設定で定義されている場所にマイグレートされます。
テンプレート

図面テンプレート(DWT)ファイルは、新しい図面の作成に使用されます。DWT ファイルを使用して作成した図面には、DWT ファイルで定義されているすべてのスタイルと図形オブジェクトが含まれます。旧リリースのカスタム DWT ファイルは、マイグレートしたリリースの後に名前が付けられたサブフォルダにマイグレートされます。サブフォルダの命名規則は、製品名 PC ファイルです。製品名テンプレート サブフォルダは、[図面テンプレート ファイルの場所]の設定で定義されている場所の下に作成されます。

コンテンツ

ハッチング パターン

ハッチング パターン定義は、図面内のハッチング オブジェクトの線のパターンを定義するために使用され、ハッチング パターン(PAT)ファイルに格納されます。

  • ユーザ定義ハッチング パターン ファイル:独自の PAT ファイルに定義されたハッチング パターン定義は、旧リリースのサポート フォルダから現在のリリースのサポート フォルダにコピーされます。
  • 標準ハッチング パターン ファイルプログラムに搭載され、acad.pat および acadiso.pat (AutoCAD LT の場合は、acadlt.pat および acadltiso.pat)ファイル内で定義されているハッチング パターン定義です。[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、標準 PAT ファイルのユーザ定義セクション内のハッチング パターン定義のみをマイグレートすることができます。パターンの定義は、旧リリースから現在のリリースの同じ名前のファイルにコピーされます。
線種

線種定義は、図形オブジェクトの線のパターンを定義するために使用され、線種(LIN)ファイルに格納されます。

  • ユーザ定義線種ファイル:カスタム LIN ファイルに定義された線種定義は、旧リリースのサポート フォルダから現在のリリースのサポート フォルダにコピーされます。
  • 標準線種ファイル:プログラムに搭載され、acad.lin および acadiso.lin (AutoCAD LT の場合は、acadlt.lin および acadltiso.lin)ファイル内で定義されている線種定義です。[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、標準 LIN ファイルのユーザ定義セクション内の線種定義のみをマイグレートすることができます。線種定義は、旧リリースから現在のリリースの同じ名前のファイルにコピーされます。
シェイプ

シェイプ定義は、文字フォントを定義するために使用されます。シェイプを使用して、線種定義または図面に特殊文字を挿入することができます。シェイプ定義のソースは、SHP ファイルに格納されます。シェイプ定義を線種定義や図面で使用できるようにするには、SHX ファイルにコンパイルする必要があります。SHP ファイルを SHX ファイルにコンパイルするには、COMPILE[コンパイル]コマンドを使用します。[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティは、SHX ファイルを、旧リリースのサポート フォルダから現在のリリースのサポート フォルダにマイグレートします。

マテリアル (AutoCAD LT では使用できません)

マテリアル定義は、イメージにレンダリングするときの、図面内のサーフェスおよび 3D ソリッドの外観をコントロールするために使用されます。[マテリアル ブラウザ]の[お気に入り]ライブラリに格納されているマテリアル定義を、旧リリースから現在のリリースにマイグレートすることができます。[お気に入り]ライブラリは、ディスク上の FavoriteMaterials.adsklib によって表されます。ライブラリに格納されているマテリアル定義が参照するイメージ ファイルは、移動もコピーもされません。

マイグレート ファイル一覧

次の表は、[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティでマイグレートされるファイルおよびファイル タイプの一覧です。それぞれのファイルに、説明および詳細情報が記載されています。リストされているファイル タイプは、マイグレートするファイルの決定に役立ちます。

[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティでマイグレートされるファイル

ファイル名

ファイルの説明

詳細

FavoriteMaterials.adsklib

[お気に入り]ライブラリに追加されたマテリアルが含まれます。

ファイルはマテリアル ブラウザで作成および管理され、マイグレートされます。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.atc

ツール パレットとそのツールを定義します。

AutoCAD 2010 ベース以降の製品からマイグレートする場合、ユーザ定義のツール パレット、および標準のツール パレット上にある新規または変更されたツールはマイグレートされます。

AutoCAD 2010 ベース以降の製品よりも前のリリースで作成されたユーザ定義のツール パレットはマイグレートされますが、標準のツール パレットに対する変更内容はマイグレートされません。

*.arg

Windows レジストリからユーザ プロファイル情報をバックアップするために使用されます。ARG ファイルはマイ グレートされませんが、ユーザ プロファイルはマイ グレートされます。

ユーザ プロファイルに対する変更内容は、Windows レジストリに保存され、マイグレートされます。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.lin

ユーザ定義の線種定義が格納されます。

ユーザ定義の線種ファイルはマイグレートされます。

acad.lin (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.lin(AutoCAD LT)

フィート/インチ単位の線種定義が含まれています。

線種ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、製品の LIN ファイルの User Defined Linetypes セクションに追加されたすべてのユーザ定義の線種定義はマイグレートされます。

acadiso.lin (AutoCAD ベースの製品)

acadltiso.lin (AutoCAD LT)

メートル単位の線種定義が含まれています。

線種ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、製品の LIN ファイルの User Defined Linetypes セクションに追加されたすべてのユーザ定義の線種定義はマイグレートされます。

*.pat

ユーザ定義のハッチング パターンの定義が格納されます。

ユーザ定義のハッチング パターン ファイルはマイグレートされます。

acad.pat (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.pat(AutoCAD LT)

フィート/インチ単位のハッチング パターン定義が含まれています。

ハッチング パターン ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、製品の PAT ファイルの User Defined Hatch Patterns セクションに追加されたすべてのユーザ定義のハッチング パターン定義はマイグレートされます。

acadiso.pat (AutoCAD ベースの製品)

acadltiso.pat (AutoCAD LT)

メートル単位のハッチング パターン定義が含まれています。

ハッチング パターン ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、製品の PAT ファイルの User Defined Hatch Patterns セクションに追加されたすべてのユーザ定義のハッチング パターン定義はマイグレートされます。

acad.pgp (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.pgp (AutoCAD LT)

外部コマンドとコマンド エイリアスの定義(ASCII テキスト形式のプログラム パラメータ ファイル)が保存されます。

プログラム パラメータ ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、製品の PGP ファイルの User Defined Command Aliases セクション領域のすべての外部コマンドおよびコマンド エイリアスはマイグレートされます。

acadSynonymsGlobalDB.pgp

業界用語に基づいた代替コマンド エイリアスの定義が格納されます。

PGP ファイルはマイグレートされます。

AutoCorrectUserDB.pgp

スペルに誤りのあるコマンドおよびシステム変数の候補であるコマンド エイリアスが格納されます。

PGP ファイルはマイグレートされます。

*.cui

AutoCAD 2006 ベースの製品から AutoCAD 2009 ベースの製品までのカスタマイズが含まれます。

カスタマイズ ファイル自体はマイグレートされません。ファイルのコピーが作成され、同じ名前の CUIx ファイルに変換されます。新しい CUIx ファイルは、現在のリリースのメイン CUIx ファイルと同じフォルダに保存されます。

共有 CUI ファイルは自動的にはマイグレートされません。手動でマイグレートする必要があります。共有 CUIx ファイルへの参照はマイグレートされます。

*.cuix

AutoCAD 2010 ベース以降の製品のカスタマイズが含まれます。

ユーザが作成したカスタマイズ ファイルは、それらがメイン CUIx ファイル、またはメイン CUIx ファイルの部分カスタマイズ ファイルとして指定されたときにマイグレートされます。

CUIx ファイルがネットワークの場所になければ、ファイルは現在のリリースのメイン CUIx ファイルの場所にコピーされ、その後マイグレートされます。

CUIx ファイルがネットワークの場所にある場合、ファイルはコピーされませんが、その参照のみマイグレートされます。共有 CUIx ファイルは自動的にはマイグレートされません。手動でマイグレートする必要があります。共有 CUIx ファイルへの参照はマイグレートされます。

acad.cuix (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.cuix (AutoCAD LT)

AutoCAD 2010 ベース以降の製品の標準カスタマイズが含まれます。

カスタマイズ ファイル自体は、マイグレートされません。しかし、ファイルに行われたすべての変更内容は、現在のリリースの同じ名前の CUIx ファイルにマイグレートされます。

CUIx ファイルを共有 CUIx ファイルとして指定しても、ファイルは自動的にはマイグレートされません。手動でマイグレートする必要があります。共有 CUIx ファイルへの参照はマイグレートされます。

*.pc3

仮想および物理出力デバイスの設定が含まれます。

プロッタ環境設定ファイル自体はマイグレートされません。[<製品名> PC3 Files]という名前のサブフォルダにファイルのコピーが作成されます。

*.ctb

印刷時のオブジェクトの外観をコントロールするために使用される設定が含まれます。この設定は、AutoCAD カラー インデックス(ACI)システムの色で調整します。

色従属印刷スタイル ファイルはマイグレートされます。

*.stb

印刷時にオブジェクトの外観をコントロールするために使用される設定が含まれます。この設定は、画層またはオブジェクトに割り当てることができる名前にグループ化されます。

名前の付いた印刷スタイル ファイルはマイグレートされます。

*.pmp

PC3 ファイルで定義されている出力デバイスのユーザ定義用紙サイズおよび位置合わせ設定が含まれます。

プロッタ モデル パラメータ ファイルはマイグレートされます。

MNU、MNS、CUI、CUIx ファイルをマイグレートする前に、各ファイルのバックアップ コピーが次の場所に保存されます。

<ドライブ>:¥Users¥<ユーザ プロファイル>¥AppData¥Autodesk¥<製品バージョン>¥<リリース番号>¥<言語>¥Previous Version Custom Files

 

 

マイグレーション ログ ファイルを検索および表示するには

[カスタム設定をマイグレート]ユーティリティを使用してカスタム設定とファイルをマイグレートすると、メッセージが表示され、そこからマイグレーション ログ ファイル(migration.xml)を開くことができます。このログ ファイルには、前バージョンから正常にマイグレートされたすべてのファイルが表示され、正常にマイグレートされなかった設定またはファイル固有の情報が提供されます。

  1. ファイル エクスプローラで、次の場所に移動します。

    <ドライブ>:¥Users¥<ユーザ プロファイル>¥AppData¥Roaming¥Autodesk¥<製品バージョン>¥<リリース番号>¥<言語>¥Migration

  2. migration.xml をダブルクリックしてファイルを開き、マイグレーションの詳細を確認します。
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